ただ削らないだけでは虫歯を取り残し、痛みや再発の原因になります。
できるかぎり削らないためには次のことを守ることが必要だと当院では考えます。
正しい検査・診査・診断 [ 歯科総合検査 ]
虫歯を削る必要があるかどうかを決めるには、歯科医師の知識と経験に基づいた診断が不可欠です。
レントゲンの読影が非常に重要です。歯科ではいろいろなレントゲン撮影をしますが、虫歯の検査はデンタルレントゲンという小さなフィルムを口の中に入れて撮影します。撮影には熟練の技術が必要です。
■ 一度に2・3本だけの歯を撮影する。
■ 像の重複がなく鮮明な画像が得られる。
■ 撮影技術は熟練が必要で難しい。
よくある顎を大きな器械にのせて頭をグルッと回る器械でのパノラマ撮影では虫歯を診断することはできません。
■ 簡単な操作で一度に広範囲を撮影できる。
■ 撮影が簡単で時間も短い。
1本の歯に対して反対側の歯や骨が重複して写ってしまい、その分鮮明な画像が得られない。
虫歯の診断には不適当。 特に前歯は首の骨が重複し診断は不可能。
経過観察メインテナンスの経験のない歯科医師は、教科書にあるような画像ですぐに歯を削ってしまう。削ればそこには人口の材料が入り、その材料の寿命や特性が次の治療の必要性となる。
多くの臨床データが当院の治療方針のベースとなっている。
やはり削らない方がいいことは明白です。
最小限の切削:ミニマルインターベンション(MI)
削らなければならない虫歯の場合は、最小限の切削にとどめたい。
症例 : トンネリング・レジン充填 [ 審美充填 ]
全く虫歯治療のない歯に治療の必要な虫歯がレントゲンで見つかった。
見た目には変色や穴などは見られず、しみるなどの症状もない。
デンタルレントゲンで治療の必要な虫歯が見つかった。 はじめての虫歯治療は慎重に行いたい。
かみ合わせ側から虫歯をめがけて穴をあける。
隣の歯とのコンタクト部分に貫通した穴がみえる。
虫歯をきれいに取り除いて再発を防止する。
ここでは齲蝕検知液が必須。
通常のレジン充填
自然な形態に戻した。
従来の治療方法では銀歯になっていた。
最小限の削除で経済的にも負担が少ない。
審美的には天然歯の形態が再現された。