2014年3月23日 (日) 16:36
去る3月21日(金祝)ナラティヴ・コロキウムが駒澤大学深沢キャンパスアカデミーホールで開催された。
ナラティヴとは「物語」の意味。
従来、医学的専門性を「権威」として有無も言わさず行われてきた医療が医学的根拠だけではうまくいかない時代が来ている。
歯科医療でも、高度な治療技術は進歩してきたがこと「長持ち」については材料や技術では立ちいかない現実に今遭遇している。
歯科疾患の原因は患者さんの中にあり、根底にある生活そのものが病気を引き起こしています。
患者さんの言葉で綴られた患者さんの視点からの病気体験が今の口腔を作っているのです。
例えば、子供の頃虫歯治療で歯医者で痛い思いをした方はきっと歯医者嫌いになったことでしょう。そのため虫歯があることがわかっていながらついつい歯科絵の足が遠のき、我慢できないほどいたくなってから歯科医に行くのです。
ナラティヴの重要性をを理解し、医院として取り組んでいない医院では、そんな患者さんの過去の経験やそのことで歯医者嫌いであることを知ろうともせず、虫歯の治療をするのです。
あなたは「歯を削られた」「抜かれた」「神経をとられた」と被害者のように言わないでしょうか?
これが病気体験の結果起こるあなたの気持ちに由来しているのです。
医者に「盲腸をとられた」「お腹を切られた」とは言わないですよね。
「盲腸をとってもらった」「お腹を切ってもらった」ということでしょう。
今回のナラティヴコロキウムは日本で医療にナラティブを最初に取り入れた富山大学保健管理センター教授 齋藤清二先生、名古屋市立大教授 野村直樹先生、御茶ノ水大学准教授 岩壁茂先生を講師に迎え開催されました。
午後からのグループディスカッションで「歯科でナラティブ?」と皆さんから言われ、歯科医療におけるナラティヴの必要性の話をしたところ大うけ!
グループ代表としてステージに上がり、歯科医療におけるナラティヴの話をしたところ医療におけるナラティヴについてまだ理解が難しい参加者から「とてもわかりやすい事例でストンと落ちた」「歯科でナラティヴなんて感動しました!」と総会後の懇親会でも入れ代わり立ち代わり参加者に話しかけられほとんど食事ができませんでした。
当院のデンタルインタビューは歯科医療における歯科医療者の姿勢、フィロソフィーを示すものですが、その根幹には患者さんの視点ナラティヴがあります。
講師の先生方は事前に私のHPをご覧になっていらっしゃったり、とても関心をお持ちになったり温かい声を頂きました。
その言葉は「先生、大変でしょう。頑張ってください!」
もう20年近く初診90分の時間をおとりして患者さんのお話を聞いているので苦にはなりませんが、実はとても難しいんです。
今でこそそんなことはありませんが、時間をとることの経済的な負担もさることながら、患者さんお話を聞く技術が伴わず、効果がないのです。
時間をかけても効果が上がらない時ほどつらいものはありません。
挫折しますね・・・。
そんな時期を脱して今があります。
残念ながら世界規模で見てもナラティブを歯科医療に取り入れることができた歯科医院は数少ないと思います。
これが当院に通い続けて頂ける他院との大きな違いなのだと思います。
人間らしい人と人とのかかわりこそ、歯科医療の成功の基本なおだと思います。
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