2014年1月11日 (土) 15:46
歯周治療の世界的権威イエテボリ大学歯周病科リンデ教授は歯周治療において何よりも大切なことは?との質問にこう答えています。
「歯周治療において最も大切なことは、昨日も、今日も、そして明後日も“予防”の一言に尽きる。」
あなたは、
歯科治療が必要な時にいったい何を考えるでしょう?
「この歯をどうやってなおしたらいいか?」を考えることでしょう。
このように考えて歯科医院を訪れると歯科医師は「削らないと・・・」「神経をとらないと・・・」「インプラントにするのが・・・」「セラミックが・・・」などと治療方法ばかりの説明をします。
虫歯や歯周病、噛み合わせの問題を抱えているあなたにはそのような状況になった原因が必ずあるのです。
この原因を解決しなければ、治療をして一時的によくなっても、また時間がたつと問題を起こします。
例えば「胃潰瘍」という病気があります。昔は手術で胃をとるか大変な食事療法で食生活に大きな制限を強いられる厄介な病気でした。
ところがこの胃潰瘍、2000年からたった2週間で完治する病気になって治療方法が確立されたのです。
それは、従来胃潰瘍の原因がストレスや食生活だと言われていたものが本当の原因がわかったからなのです。
あなたは「ピロリ菌」というのをきいたことはありませんか?
このピロリ菌が胃の粘膜に定着して胃潰瘍を起こしていることを1999年ころ複数の大学の研究論文が根拠となり治療方法が大きく変わったのです。
抗生物質を2週間飲むことで原因であるピロリ菌が死滅してあれほど厄介だった胃潰瘍は治ってしまうのです。
時代は変わり、歯科医療はどんどん進歩しています。
現在は虫歯も歯周病も噛み合わせの病気も多くの研究によってその原因が明確になっています。
その原因を取り除くことをせずに未だに削る、詰める、かぶせるばかりをする歯科医院があまりにも多いのはとても残念です。
確かに、削って詰めて被せないとお金にならないのは確かです。
原因を放置して治療ばかりに一生懸命なのは軽軽のためです。
できる限り削らない、抜かない、神経をとらない、詰めない、かぶせない・・・。
こんな治療があってもいいと思いませんか?
予防をせずにどんなにいい治療(セラミックのような高額な自費治療など)をしても、原因が解決していませんのでまた病気は再発します。
そのたびに歯は削られ、かぶせられ、抜かれてより高額な治療に至るだけでなく、旗次々に失われていくのです。
予防をして、虫歯、歯周病、噛み合わせのトラブルを起こしにくい状態になればどんな治療も長持ちし、歯科医院への来院も少なく、痛い治療をすることもなく、お金もかからないのが予防の力なのです。
当院は1970年代のアメリカ第1期予防ブームのころ渡米した先代が大量の歯ブラシをおみあげも買わずにトランクに詰めこみ持ち帰ったころから実に40年を超える事績を持っています。
「予防に勝る治療はない」スポーツでも「防御に勝る攻撃はない」というように予防が確実にできることがこれからの歯科医療には何よりも重要なのだと考えます。
高度で高額な治療ほど、予防の重要性が問われるのです。
歯科難民の多くが多くの場合最新の技術や器材、材料に翻弄され、歯科医療の本質を見失った方なのです。
歯科医の私が言うのもおかしいと思うかもしれませんが、歯科治療は削れば削るほど歯を失う方向に向かうのです。
歯医者のことを業界内では「破壊者」という人もいるくらい、治療することでより悪い状態を作っているのが現実です。
こうして歯科難民が増えていくのです。
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