2013年11月25日 (月) 18:51
私の所属する日本で最も歴史の長いスタディークラブCDCの先輩である生出浩哉先生が57歳の若さで今年6月にお亡くなりになられました。
震災を経験されたご家族の願いから葬儀はご家族のみでされましたが、私たちCDCのメンバーはお別れの言葉を述べることもできずここまで来てしまいました。
11月24日CDCの有志が生出先生の地元仙台に集まり、ご家族もお呼びしてお別れの会を行いました。
生出先生は特に歯周病の治療におかれては片山恒夫先生の仰る自覚、自立、自助によって患者が自らの手で健康を取り戻す支援をする姿勢を「医患共同作戦」として「歯を守ることは歯医者の使命であり、歯周病歯の抜歯は治療ではなく、治療の放棄である」との考えを継承し、着実な経緯の記録と共に誰が見ても治療の効果が確実にみられる治療をされた先生です。
その真摯な姿勢は生出先生の症例発表をみるとヒシヒシと感じられるのです。
CDCは他のスタディークラブの先生から歯周治療について「何もしていないじゃないか」と批判を受けるようです。
確かに派手な手術やパフフォーマンスはしませんが、確実に治ってきているのは事実です。そして他院で「抜く」と言われた歯がCDCの先生の医院で長く保存されているのも事実なのです。
その症例は圧倒的です。
CDCでは「この症例のすごさがわからないやつはCDC会員じゃない」とまで言われています。
世間一般と常識では到底保存できない歯が残るのは、患者さんとの気の長いコミュニケーションの積み重ねと、その結果得られる信頼関係。
そして、患者さんの治療への積極的な参加によってはじめて奇跡のような結果がもたらされるのです。
CDCは貴重な実績を残した偉大な臨床家をなくしましたが、その精神は残された会員すべての胸の中に脈々と受け継がれていくでしょう。
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