2013年11月11日 (月) 16:50
11月10日(日)日本口腔インプラント学会が主催する「第16回口腔インプラント専門医臨床技術向上講演会」が開催されました。
今回のテーマは「安全・安心のインプラント治療をめざして―難症例を見極める」と題して行われました。
年4回朝9:00〜17:00まで大学や臨床家から今回は7名の先生がご発表されました。
88名の出席者の半分は私の見る限り60歳以上の先生方でした。
お話の中に「安全とは自然科学で証明される客観的事実、安心とは自ら理解・納得したという主観的事実です」という東日本大震災を教訓に明治大学理工学部教授、北野大氏が日経新聞のインタビューに答えています。
安全についてはやはり客観的な検査の結果をもとに十分なわかりやすい説明がされるべきで、その結果患者さんは理解し、納得できるのだと思います。
検査とは、単にインプラント埋入のためのCT撮影などではなく、歯を失った原因についてや生活の状況や健康状態、歯についての手入れや食習慣に至るまで客観的な情報が事細かく必要です。
以前マスコミで報道された死亡事故を起こした歯科医院での治療方法を紹介され、解説を受けましたが「ごく一部の臨床的に証明されていない方法によって行われた極めて特異な術式である。」とのことでした。
私から見てもあまりにも安直な解釈と施術に驚かされました。
インプラント治療は通常の虫歯治療とは違う特徴があります。
虫歯や歯周病のようなよく聞く歯科治療は「疾患」の治療なのに対してインプラント治療は「機能・審美回復」なのです。
医科で言うならば同じ外科手術でも腫瘍などの摘出術と美容整形の違い。
腫瘍の摘出が虫歯治療なら美容整形がインプラント治療という感じでしょうか?
だから患者さんも歯科医師も安易にインプラント治療をしやすいのかもしれません。
「安心・安全」を実現するには患者さんの理解と協力がとても大事です。
そして、患者さんが十分安心して治療を受けて頂けるような客観的根拠のある説明と治療が私たち歯科医療者には要求されるのだと思います。
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