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歯科難民を救え!Dr.Yamada'sブログ

朝日新聞社説“歯科の「認定医」に統一基準を”

2014年6月9日 (月) 19:31

朝日新聞社説2014,6,7認定

6月7日(土)朝日新聞の社説にこんな記事が掲載されました。

最近は「当院にも○○学会の認定医なので」と来院される患者さんもいらっしゃいますが、私もこの社説の記事を書かれた先生同様違和感をおぼえます。

例えば日本歯周病学会の認定条件は以下のようになっています。(一部)

(1)3年以上継続して学会正会員であること

(2)本学会の認めた研修施設に通算3年以上所属し、歯周病学に関する研修と臨床 経験を有すること

もちろん、これ以外に一定の学会出席や講習の受講、試験に受かって取得するものではありますが、学会認定を患者さんが歯科医を選ぶ基準とすると疑問が生じます。

例えば歯科医師国家試験に合格した年にすぐさま学会に入会して、研修施設に籍を置いたとしたらその歯科医は4年目にして認定を取得することができることになってしまいます。

4年目の歯科医には確実に足りないものがあります

それは“経験”です

“経験”とは歯科医師としての歯周治療の経験のことだけではありません。

例えば、歯周治療において抜歯の診断をしなければならない時、経験がない歯科医は学術的な“根拠”からしか診断を下すことができません。

なので、信頼できる論文や清書を示し、「これは大丈夫」「これは抜歯」というしかないのです。

経験だけではダメなのですが、自分でいろいろな歯周治療を学び、高い治療技術を身に付けた歯科医師は患者さんとの信頼関係の基に一般的に“抜歯”と診断される歯を保存する試みをします。

もちろんこの“信頼”は決して認定医の看板などではなく、良好なコミュニケーションと検査や治療を通しての実績がつくるものです。

例えキャリアが長くても勉強などまったくしていない歯科医がいるのも現実で患者さんは歯科医選びに苦慮するのは仕方ないものと思います。

もう随分以前のことですが、地方の矯正専門医から患者さんが東京に転居するので診て欲しいと連絡がありました。

その先生の医院で治療した歯が痛むというのです。

口の中を拝見するとたくさんのセラミックが入っていました。

しかし、矯正の専門医の患者のはずなのに矯正治療がされていません。

歯並びが悪く30代の女性にもかかわらずかわいそうなありさまでした。

患者さんにお話を伺うと別に矯正治療をしたくなかったわけではないようです。

結局矯正治療も含めて当院で治療をし直しました。

彼女の治療はまるで引越までにできる自費の治療を突貫工事的にやったかのような状態でした。

「時間がないから仕方ない」とただかぶせることだけされたようでした。

実はこのような経験は他にもあります。

確かに転居すれば治療に通えないわけで、経営的には「お金にならない」わけですが、だからと言って突貫工事はいかがなものかと・・・。

患者さんとの信頼関係を考えるとやはり十分に患者さんとコミュニケーションをとって患者さんも歯科医師も納得のいく治療をしたいものです。

認定を持っている私が言うのもおかしな話かもしれませんが、看板よりも実績や実力で患者さんが評価できるのがよいのですが、これもまた難しいことですね。

 

 

 

 

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